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文法も単語もできるのに、なぜ英語長文は読めないのか〜『綺麗な訳』という呪縛〜

こんにちは、兵庫県加古川市・播磨町で学習塾「ニードモアアカデミー」を運営している三浦です。

新学期も中盤に入り、東加古川校・土山校の両教室で「英語の長文読解で点が取れない」というご相談が増えてきました。特に多いのが、単語も文法もそれなりにやっているのに、長文になると途端に手が止まってしまうというケースです。今回は、なぜ英語の長文が読めないのか、その原因と読み方の切り替え方を、塾の現場目線で整理してみました。お子さんの英語長文が伸び悩んでいる保護者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

英語長文が読めない子には二つのタイプがある

「英語の長文が読めない」と一括りにされがちですが、現場で見ていると、中身がまったく違う二つのタイプに分かれます。原因が違えば打つ手も変わるので、まずはここを分けて考えることが大切です。

一つ目は、そもそも単語と文法が抜けているタイプ。二つ目は、単語も文法もできているのに、長文だけ読めないタイプです。この二つを混同してしまうと、対策がかみ合わなくなってしまいます。

単語・文法が抜けているタイプは王道で積み直す

最初の段階では、前者のタイプの方が多い印象です。単語が頭に入っていない、基本文型が身についていない。その状態で長文に立ち向かっても、読めないのは当然なんですよね。

このタイプの子に「速読のコツ」や「読み方の工夫」を教えても、ほとんど意味がありません。単語の意味が分からないまま読み方だけ変えても、文の意味は取れないからです。ここは結局、単語を一つひとつ覚えるという王道しかありません。ショートカットしようとして、かえって遠回りになるケースも往々にしてあります。

AIや新しい学習法がどれだけ話題になっても、単語が頭に入っていないと英語は読めない。この前提は今も昔も変わりません。

「綺麗な日本語に訳さなきゃ」という呪縛

ここからが今回の本題です。単語も文法もできているのに長文だけ読めない子には、ある共通したパターンがあります。それが「綺麗な日本語に訳さなきゃいけない」という思い込みです。

一文一文を、整った日本語に直そうとして、そこで止まってしまう。これには理由があります。中学・高校の英語の授業では和訳問題があり、ぐちゃぐちゃな日本語で書くと先生に直されますよね。和訳問題としては、それは正しい指導です。ただ、その経験が積み重なると、子どもの中に「英語の文は綺麗な日本語に直さなければいけないもの」という刷り込みができてしまうんです。

まじめな子ほど、この傾向は強く出ます。一文ずつ丁寧に、語順も整えて、日本語として自然になるように訳そうとする。宿題でゆっくり取り組む分には悪いことではありません。

問題は、時間制限のあるテスト中です。ボリュームのある長文を一文ずつ綺麗な日本語に直していくと、構造的に最後まで辿り着けなくなります。一文に1〜2分かかっていたら、設問に入る前に時間切れになってしまう。「最後の方の問題は読む時間がなかった」という子は、能力ではなく読み方の問題でつまずいていることが少なくありません。手を抜いていない、むしろ真面目にやりすぎているのに点が取れない、というしんどい構造になっているんですよね。

得意な子は「前から順に訳す」読み方をしている

では、長文読解が得意な子はどう読んでいるのか。結論から言うと、前の単語から順番に意味を取っていき、分からない単語は飛ばす、という読み方をしています。読むのが速い子は、戻って訳し直すということをあまりしません。前から流していくイメージです。

例えば「I went to the park with my friend yesterday」という文。綺麗な日本語に直すと「私は昨日、友達と公園に行きました」になりますが、前から訳すと「私は・行った・公園に・友達と・昨日」となります。日本語の作文としては不合格ですが、誰が・何をして・誰と・いつ、という情報は全部取れていますよね。

長文読解で問われているのは、結局「どんな話か」「この後どう展開するか」「設問は何を聞いているか」です。訳文の美しさは本来問われていません。得意な子は、意味が取れればOKと割り切れているわけです。

この読み方の最大のメリットは、戻らないので速いこと。長文は「時間内に読み切れるか」が前提になるので、読み方を変えるだけで点数の上限がガラッと変わることも往々にしてあります。読み方を切り替えられた子は、長文の点数が動くケースが多い印象です。

ただし注意点として、これは「単語も文法もできている子」が前提の話です。基礎が抜けた状態でこの読み方をしても、分からない単語が多すぎて結局取れません。まずは基礎を積んだ上で、読み方を切り替える。この順番が大切です。

最後に効いてくるのは「国語力」

「前から訳して内容を把握する」ところまで来ても、長文読解はそこで終わりません。最後に問題を解く段階で、もう一つ別の力が必要になります。それが国語力です。

「この文章の主張は何か」「筆者がこの段落で言いたいことは何か」「下線部はどういう意味か」――これらは、構造としては国語の問題そのものです。英語の長文読解は、最終的には「日本語に訳された情報をどう読み解くか」の勝負になります。だから国語が苦手な子は、英語の長文も伸びにくいという傾向が往々にしてあります。英語と国語の点数が、ある程度連動する印象もあります。

ここは見落とされやすいポイントです。「英語の点数が悪いから英語の勉強を」と自然に考えてしまいますが、根っこが国語にある場合、いくら英単語を覚えても長文の点数は伸びません。安定して点を取れる子は、日常的に日本語の文章にも触れている子が多いんですよね。本でもニュースでも構いません。活字に触れる量は、すぐには見えませんが、長期で見ると差になって効いてきます。

まとめ

  • 「長文が読めない」には二つのタイプがあり、原因を分けて考えることが第一歩
  • 単語・文法が抜けている子は、王道で基礎を積み直すしかない(ショートカットは遠回り)
  • 単語も文法もできているのに読めない子は、「綺麗な日本語に訳さなきゃ」の呪縛にハマっていることが多い
  • 前から順に意味を取り、分からない単語は飛ばす読み方に切り替えると、速さが変わる
  • 最終的には国語力。日頃から日本語の文章に触れておくことが後から効いてくる

お子さんの英語長文が伸び悩んでいるときは、英語だけで考えすぎず、読み方や国語との連動まで見てあげると、状態が立体的に見えてきます。東加古川校・土山校では、お子さんがどのタイプでつまずいているのかを一緒に整理していますので、お気軽にニードモアの教室にご相談ください。聴く塾便りでは、他にも学習や受験に役立つ回を配信しています。


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