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自由研究の任意化、どう向き合う〜減った宿題を子どもの主体性に変える3つの工夫〜

こんにちは、兵庫県加古川市・播磨町で学習塾「ニードモアアカデミー」を運営している三浦です。

もうすぐ夏休みですね。7月に入って、教室でも夏休みの宿題の話題がちらほら出てくる時期になりました。そんな夏休みの宿題の定番といえば自由研究ですが、実はここ数年で「自由研究は必須ではない」「出したい人だけ出す」という形に切り替える学校が各地で出てきているのをご存じでしょうか。今回は、この自由研究の任意化がなぜ起きているのかを整理したうえで、宿題が減った夏を家庭でどう過ごせばいいのか、その設計の仕方を塾の現場目線でお話しします。「うちの子、任意なら絶対やらないかも」と気になる保護者の方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

自由研究はもう「必須」じゃない

「今年の宿題、自由研究が任意になっているんです」——面談でそう教えていただくことが増えました。昔は夏の定番だった自由研究や読書感想文を「任意」に切り替える学校が、あちこちで出てきているんですよね。計算や漢字のドリルは残しつつ、自由研究や作文のように手間の大きい課題だけ「出せる人だけ出しましょう」という形にしている学校もあります。ご兄弟のいるご家庭では「上の子のときはあったのに、下の子は無いんです」という声も聞きます。

では、これは誰かが「減らしなさい」と決めたのかというと、実はそうではありません。文部科学省の説明では、自由研究を出すか出さないか、その中身も量も、もともと各学校が決めていいものなんですよね。「夏休みは全員、自由研究を出しなさい」という全国一律のルールがあったわけではないんです。「どこの学校でも出るもの」と思い込んでいた方も多いと思いますが、実はそうではなかったわけです。

歴史をたどると、これがなかなか面白いんです。戦後すぐの時期、自由研究は夏の宿題ではなく「教科」でした。時間割に入っていたんですね。それが教科としてはなくなり、コンクールのような発表の場ができたこともあって、だんだん私たちのよく知る「夏休みに家でやってくるもの」として定番になっていきました。つまり自由研究は、もともと時代ごとに形を変え続けてきたものなんですよね。

いま任意化が進んでいる背景として、大きく二つが挙げられます。一つは、やらされる宿題より、自分で選んでやる経験を大事にしようという教育全体の流れ。もう一つは、先生の働き方の見直しです。自由研究は一人ひとり中身が違うので、作品を見るのもコンクールへの取りまとめも含めて、学校側の仕事が相当増えます。子ども側の理由と先生側の理由、両方が同じ方向を向いた結果というわけです。

ホッとする親、モヤモヤする親

この任意化について、保護者の受け止めは面談で聞いていても真っ二つに分かれます。「自由研究がなくなって、正直ホッとしました」という方と、「任意なんて言われたら、うちの子は絶対やらないので不安です」という方。同じ話をしているのに、受け取り方が真逆なんですよね。

「任意でいいんじゃない」と頭では思っている方が多い一方で、いざ子どもがやるとなると、実際は親が何かしら関わることになるご家庭が大半なんです。テーマを一緒に考えたり、材料を買いに行ったり、まとめを手伝ったり。完全に子ども任せというお家のほうが、むしろ珍しい。つまり「任意」というのは、建前は「子どもが選ぶ」ですが、実態は「家庭がどう動くか」の話になっているんですよね。だからこそ受け止めも割れるわけです。

「任意にしたら、うちの子はやらなくなるのでは」という不安については、参考になる話があります。山形のある小学校が、毎日の宿題も長期休みの課題も、思い切って全部やめたんです。自由研究も読書感想文も提出義務なし。それで子どもたちが家で勉強しなくなったかというと、やめたあとの学校のアンケートでは、家で全く勉強しなくなった子はほとんどおらず、学力テストの結果も例年と大きくは変わらなかったそうです。

もっとも、これは一つの学校の事例ですし、宿題がなくてもうまく回る子もいれば、本当に何もしなくなる子もいるのが現実だと思います。この例から言えるのは、崩れるかどうかを分けるのは「宿題があるかないか」そのものではなく、家でどう過ごすかの設計のほうだ、ということなんですよね。外側の枠が減った分、家庭の設計がそのまま夏の中身に出る。ならば、その設計をどう考えるかが大事になってきます。

「自由」を放置にしない、3つの家庭設計

ここからが本題です。宿題が減った夏を家庭でどう過ごすか、三つの設計を提案します。「自由になった部分を放置にしない」ことが大切ですね。

1. やる・やらないを子ども自身に決めさせ、理由を一言だけ言わせる

「子どもに選ばせましょう」と言うのは簡単ですが、実際「どうする?」と聞いたら「どっちでもいい」と返ってくるのが現実ですよね。そこで、夏休み前に配られる宿題の一覧を親子で一緒に見ながら、「これ任意って書いてあるけど、どうする?」と聞いてみてください。「どっちでもいい」と返ってきたら、「じゃあ今回はやらない、でいく? それはなんで?」と一歩だけ進める。責める口調ではなく、普通に興味として聞くのがコツです。

「めんどくさいから」と返ってきても、その中身を一段だけ聞いてみてほしいんです。実は「テーマが思いつかない」だったりします。それは「やりたくない」ではなく「始め方がわからない」なので、話が全然変わってきます。塾の現場でも、やる気がないように見える子ほど、中身を聞くと「やり方が分からないだけ」ということが本当に多いんですよね。理由さえ言えたら、「やらない」でも構いません。「塾の課題を優先したいからやらない」でもいいです。理由が言葉になった時点で、それはもう立派に「自分で選んだ」経験なんです。

2. やるなら、一緒にやるのは「テーマ決めと最初の一歩」まで

親が関わること自体は全然いいんです。ただ、うまくいかない自由研究は、後半で親が全部巻き取ってしまうパターンが多いんですよね。それで夏の終わりに、親のほうが疲れ果ててしまう。途中から手伝い始めると、「どこまで手を出すか」の判断を毎日することになって、親のほうがしんどくなります。

ですから、最初に「ここまでは一緒、ここからは自分」と線を引いておく。一緒にやるのはテーマ決めと最初の一歩まで、と決めておくんです。完成度を求めだすと、結局は親の作品になってしまいます。仕上がりが多少ぐだぐだでも、自分で最後までやり切ったという経験のほうが、あとから効いてくるんですよね。

3. やらないなら、浮いた時間の行き先までセットで決める

「やらない」と決めるだけで終わると、その時間はだいたい動画やゲームに吸われて消えていきます。そこで、「自由研究をやらない代わりに、この夏はこれをやる」という何かを一つでも決めるといいかなと思います。図書館で好きな本を借りる日をつくるでも、料理を一品覚えるでもいい。

ポイントは、宿題が減って浮いた時間を「何もしない時間」ではなく「自分で選んだ時間」にすること。そこさえ押さえられれば、中身はお子さんとご家庭で決めていいんです。任意化は、ほうっておくと「やらない口実」で終わってしまいますが、設計ひとつで「選ぶ練習の機会」に変わります。同じ制度でも、家庭の向き合い方でまるっきり別物になるんですよね。

まとめ

最後に、今回の要点を整理します。

  • 自由研究や読書感想文を「任意」にする学校が各地で増えている
  • 自由研究の実施はもともと各学校の判断で、全国一律のルールはなかった
  • 任意化の背景は「自分で選んでやる経験の重視」と「先生の働き方の見直し」
  • 夏が崩れるかどうかは「宿題の有無」より「家でどう過ごすかの設計」で決まる
  • 家庭の設計は3つ。①やる・やらないを子どもに決めさせ理由を一言言わせる ②やるなら一緒にやるのはテーマ決めと最初の一歩まで ③やらないなら浮いた時間の行き先までセットで決める

宿題の一覧を親子で一緒に見ながら「これ、どうする?」と聞くところから始めてみてください。決めるのはお子さん、親は理由を一言聞くだけでいい。
夏の過ごし方で迷われたら、ぜひお気軽にニードモアへご相談ください。


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