こんにちは、兵庫県加古川市・播磨町で学習塾「ニードモアアカデミー」を運営している三浦です。
塾に求めるものといえば、まずは成績を上げること。これは今も変わらない、大切な役割です。一方で、「自分で勉強できるようになってほしい」という期待も、以前より感じるようになりました。
費用の負担や学び方の選択肢が変わる中で、ご家庭が塾に求めるものも少しずつ変わっています。
今回は、通塾率や教育費のデータを補足しながら、塾を取り巻く変化と、私たちが大切にしたい関わり方について考えます。通う割合の低下を、そのまま「塾が不要になった」と捉えるのではなく、塾にどんな役割が求められているのかに目を向けたいと思います。
通塾率の変化を、数字から見る
国立教育政策研究所の「全国学力・学習状況調査」では、公立中学校3年生が、学習塾や家庭教師の先生に教わっていると答えた割合は、次のようになっています。
- 2023年度:60.0%
- 2025年度:56.9%
出典:国立教育政策研究所「全国学力・学習状況調査」の2023年度・公立中学校の集計表、2025年度・公立中学校の集計表。各年度の「教わっている」に当たる選択肢の公表割合を合計しています。
この数字には、家庭教師やインターネット・オンラインで教わる場合も含まれます。全国の中学生全員の通塾率ではなく、公立中学校3年生を対象としたものです。
また、無回答の割合も年度によって異なるため、差のすべてを「塾に通う子が減った分」とは言い切れません。
それでも、ご家庭が塾をどう利用するかを考えるうえで、見ておきたい変化です。ただし、この数字だけで、費用や学習ツールの普及など、何がどの程度影響したのかまでは分かりません。
通う割合が下がっても、費用の負担が軽くなるとは限らない
塾に通う人の割合と、通っている家庭が支払う金額は、分けて見る必要があります。
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、公立中学生の年間の学習塾費は、集計対象によって次のように変わります。
- 塾代を支出していない家庭も含めた全体平均:約23万円
- 実際に学習塾費を支出した家庭の平均:約34万9千円
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査・調査結果の概要」の表6・表8-2。2023年度の支出を調べたもので、2026年1月16日訂正後の数値です。
「平均の塾代」と書かれていても、誰を含めた平均なのかによって金額は変わります。費用を比較するときは、この違いにも注意したいところです。
本編では、費用をめぐって二つの見方を話しました。
一つは、物価や運営費の上昇によって塾代の負担が重くなり、利用を慎重に考える家庭があるという見方。もう一つは、子どもに手厚い教育を受けさせたいという思いが、指導やサービスへの支出につながっているという見方です。
どちらか一つで説明できるものではなく、ご家庭によって事情は違うと思います。だからこそ、金額だけでなく、その費用でどんな支援を受けられるのかが、より大切になっているのではないでしょうか。
塾を取り巻く三つの変化
少子化によって、子どもの人数が減っている
まず、子どもの数そのものが減っていることです。
ここでは、人数と割合を分けて考える必要があります。子どもの人数が減れば、同じ割合で塾に通っていても、通う子の人数は少なくなります。少子化だけで通塾率の低下を説明できるわけではありませんが、塾を取り巻く環境の変化としては大きなものです。
その中で、私たちも「どんな支援を必要とされているのか」を、より丁寧に考えていく必要があります。
教育費を、何にかけるか選ぶようになっている
次に、ご家庭の費用負担です。
ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2026」では、大学生以下の子どもがいる保護者1,000人のうち、教育費の負担を重いと感じると答えた人は60.9%でした。
これは2026年2月に行われたインターネット調査で、中学生に限ったものではありませんが、教育費の負担を感じる家庭が少なくないことが分かります。
習い事も塾も、希望するものをすべて利用できるとは限りません。限られた時間と費用の中で、「何に、どこまでかけるか」を考えることになります。
だからこそ、塾にとっても、通っていただくことで何を支えられるのかを、具体的に伝えることが大切になっていると思います。
学び方の選択肢が広がっている
もう一つは、学ぶ手段の多様化です。
教室で授業を受ける方法に加え、オンライン授業や動画教材、学習アプリなど、学び方にはさまざまな選択肢があります。
選択肢が増えれば、ご家庭がお子さんに合う方法を考える幅も広がります。ただ、「説明を聞けること」と「その子に合った支援を受けられること」は、同じではありません。
何を使って学ぶかに加えて、どんな場面で、どのような関わりが必要なのか。塾の役割も、そこまで含めて考えていく必要があると感じます。
私たちが大切にする、一人ひとりへの関わり
塾を取り巻く経営環境にも、変化が表れています。
東京商工リサーチの「2025年『学習塾』倒産動向」では、2025年の学習塾の倒産は55件で、過去最多を更新しました。倒産した事業者のうち、従業員5人未満が9割以上を占めています。
ただ、ここで私たちが考えたいのは、業界が厳しいという話だけではありません。こうした時代に、どんな塾として必要としていただけるかということです。
ニードモアが大切にしているのは、一人ひとりの状況をよく見て、その子に合った関わりをすることです。
例えば、同じように数学の点数が取れていなくても、計算でつまずいている子と、問題文を読み違えている子では、必要な対策が違います。
点数だけを見て「もっと勉強しよう」で終わらせず、どこで困っているのかを見る。その違いに合わせて関わることが、私たちの考える「一人ひとりへの密度」です。
教室の規模や指導形態によって、それぞれに強みがあります。私たちは、今の規模だからこそできる寄り添い方を大切にし、目の前の生徒さんにとって何が必要なのかを考えていきたいと思っています。
成績を伸ばすことに加えて、自分で学ぶ力を育てる
保護者の方からの要望として、成績を上げてほしいという期待は、今も大きいと感じています。
そのうえで、「自分で勉強できるようになってほしい」という期待も増えています。成績を上げることが不要になったのではなく、その先につながる力まで求められるようになってきた、ということだと思います。
分からない問題を教えてもらうことは大切です。それに加えて、何が分からないのかを捉えたり、次に何を勉強するかを考えたりできるようになることも大切です。
こうした力は、今のテストだけでなく、進学して学ぶ内容が変わったときや、社会に出て新しいことを身につけるときにもつながります。
私たちも、今の成績に向き合いながら、その先でも生かせる力を育てることを大切にしていきたいと考えています。
まとめ
塾に通う割合の変化には、子どもの人数、ご家庭の費用負担、学び方の多様化など、さまざまな事情が関わっています。一つの数字や理由だけで、「塾は必要なくなった」と結論づけられる話ではありません。
私たちにとって大切なのは、変化する環境の中で、目の前の生徒さんや保護者の方に、どんな支援を届けられるかです。
同じ点数でも、つまずいている場所は違います。同じ学年でも、必要な関わり方は違います。その違いを見ながら、成績を伸ばすことと、自分で学んでいける力を育てることの両方に向き合っていきたいと思います。
今通ってくださっている生徒さん、ご家庭にとって何がベストなのか。これからも、一緒に考え続けていきます。
お子さんの学習について気になることがあれば、ニードモアの教室へお気軽にご相談ください。
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