こんにちは、兵庫県加古川市・播磨町で学習塾「ニードモアアカデミー」を運営している三浦です。
「翻訳アプリがあるのに、なんで英語やるの?」——お子さんにこう聞かれて、答えに詰まった経験はありませんか。
スマホをかざせば外国語が読める時代に、わざわざ英語を学ぶ意味はあるのか。これは、子どもだけでなく大人にとっても、改めて考える価値のある問いだと思います。
私たちが伝えたいのは、英語を学ぶことには「AIが出した英語を自分でも確かめられるようになること」と「自分の言葉で相手に伝わる喜びを味わえること」という意味がある、ということです。今回はこの2つを軸に、家庭で子どもの「なんで?」にどう向き合うかを考えてみます。
「なんで英語やるの?」を、まず受け止める
面談でも、お子さんにそう聞かれて答えに詰まった、というご相談が出てきたことがあります。「将来のためだよ」と伝えても、「その頃には、もっと便利な翻訳があるんじゃない?」と返されたら、簡単には答えられませんよね。
土山校の河村は、教室でこう聞かれたとき、まずその子の言い分を一度受け止めるようにしているそうです。「確かに、アプリで訳せる時代にわざわざやるの、めんどくさく感じるよな」と。
そのうえで、「でも、アプリに全部お願いして、返ってきた英語が本当に自分の言いたいことになっているか、どうやって確かめる?」と問いかける。英語を学ぶ意味を、一緒に考える入り口にするわけです。
ただ、家庭でも毎回こうしたやりとりをしてください、ということではありません。すぐに答えられなくても大丈夫です。「便利になったのに、どうして学ぶんだろうね」と、子どもの疑問を一緒に考えるところからでいいと思います。
翻訳が便利になっても、学びたい理由は残る
AI翻訳が進んだからといって、英語を学びたい気持ちまでなくなるとは限りません。
スピークバディが2025年12月に、英語学習の経験や意向がある20〜59歳の439人を対象に行った調査では、AI翻訳の進化によって学習意欲は下がらなかったという回答が大多数でした。また、身につけたい力として最も多く挙がったのは「話す力」です。子どもを対象にした調査ではありませんが、翻訳の便利さと、自分で英語を使いたい気持ちは両立することがうかがえます。
出典:スピークバディ「AI翻訳が進化しても英語学習の意欲『下がらず』85%」
保護者を対象にした調査にも、興味深い結果があります。Crepityが2026年8月に全国の小学生〜高校生の保護者970人に聞いた調査では、AI翻訳をよく使う人ほど、子どもに英語を学んでほしいと答える割合が高くなっていました。
一方で、よく使う人の中には「翻訳が進めば、英語を学ぶ必要性は下がる」と考える人も多くいました。「機械に任せられる場面は増える。それでも子どもには学んでほしい」という考え方は、矛盾するものではないのでしょう。
出典:U-GAKU(ユーガク)調べ「AI翻訳を『よく使う』保護者の94%が、子どもに英語を学ばせたい」
では、翻訳に任せられることが増えても、自分で学ぶ意味はどこにあるのでしょうか。
AIを活かすためにも、土台の英語が役立つ
まず一つは、AIが出した英語を、自分でも確かめられるようになることです。
翻訳や下訳をAIに任せられるのは、とても便利です。ただ、出てきた英文が、自分の伝えたかった内容やニュアンスに合っているかどうかは、別に考える必要があります。
英語が少し分かれば、「この単語は、自分の言いたい意味と違うかもしれない」「ここは、もう少しやわらかく伝えたい」と気づく手がかりが増えます。基礎を学べばすべての誤りを見抜けるわけではありませんが、出てきたものをそのまま受け取る以外の選択肢が持てるんですよね。
これは、普段の勉強にも通じる話です。答えだけを見て終わると、なぜその答えになるのかまでは分かりません。単語の意味や文の仕組みを理解していれば、AIの答えに対しても「どうしてこうなるんだろう」と考えられるようになります。
だから、英語の基礎を学ぶことと、AIを使うことは対立しません。学んだことをAIとの練習に使い、そこで分からなかったことをまた学ぶ。そんな行き来もできます。
学校教育でも、AIを対話練習やフィードバックに活用する取組が進められています。文部科学省も、AIを活用した英語の授業や指導の事例を公開しています。
AIを使って練習する機会を増やし、先生は子どもの理解やつまずきに応じて指導する。道具の便利さを取り入れながら、自分で考えられる土台も育てていきたいと思っています。
自分の言葉で伝わることの喜び
もう一つは、自分の言葉で相手に伝わる喜びです。
翻訳アプリを使って会話することもできます。それでも、自分が覚えた英語を口にして、相手に通じたときには、その人自身の手応えがあります。「自分にも伝えられた」という経験は、次の言葉を覚えたくなるきっかけにもなります。
会話では、文法を間違えないことだけでなく、相手の反応を見ながら、何を伝えたいかを考えることも大切です。すぐに返せなくても、言葉を探しながら話したり、分からなければ聞き返したりしていい。完璧な英文ができるまで黙っている必要はありません。
「読む問題は解けるけれど、話そうとすると言葉が出てこない」というお悩みもあります。そんなとき、いきなり流暢に話すことを目指すのではなく、知っている言葉を実際に使う経験を積んでいくことに意味があります。
翻訳が便利になるほど、「英語で何かをするには、まず全部自分でできなければいけない」という負担は小さくなるかもしれません。その中でも、自分で聞き取れた、自分の言葉が通じたという喜びは、英語を学ぶ理由として残ると思います。
家庭で「なんで学ぶ?」にどう答えるか
お子さんに「なんで英語やるの?」と聞かれたとき、答えの芯は、この2つでいいと思っています。
- 「英語が分かると、AIが出した答えも自分で確かめやすくなるよ」
- 「翻訳があっても、自分の言葉で伝わったときはうれしいよ」
「やらないと将来困るよ」だけで終わらず、学ぶことでできるようになることや、その楽しさを伝える。もちろん、この一言で必ず納得するわけではありませんし、その場で説得し切る必要もありません。
興味を持ったら、翻訳アプリを一緒に使ってみてもいいですね。「これ、自分が言いたかった感じになっているかな」と立ち止まってみる。
その場で答えが出なくても、気になった言葉を調べたり、先生に聞いたりするきっかけになります。大切なのは、AIが出したからそのまま正解とするのではなく、自分の伝えたいことと照らし合わせてみることです。
また、旅行先で英語が通じた、動画の言葉が少し聞き取れた。そんな瞬間があれば、一緒に喜んでもらえたらと思います。勉強したことが実際につながると、英語を学ぶ意味も少しずつ自分のものになっていきます。
まとめ
- 「翻訳アプリがあるのに、なんで英語やるの?」という疑問は、まず受け止めて一緒に考える
- 英語の基礎があると、AIが出した英文を自分の意図と照らし合わせる手がかりになる
- 翻訳を使えることと、自分の言葉が伝わる喜びを味わうことは、どちらも大切にできる
- 家庭では無理に説得したり先生役になったりせず、英語が通じた・分かった瞬間を一緒に喜ぶ
お子さんの「なんで?」は、学ぶ意味を一緒に考えるきっかけです。私たちも教室で、そういった疑問に向き合いながら、英語の土台を育てていきたいと思っています。
英語学習への向き合い方でお悩みがあれば、お気軽にニードモアの教室にご相談ください。
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