こんにちは、兵庫県加古川市・播磨町で学習塾「ニードモアアカデミー」を運営している三浦です。
2学期に入り、これから定期テストが本格化する時期になりました。今回のテーマは、面談でもよくいただく「うちの子、字が汚くて心配なんです」というお悩みです。中学生・小学生のお子さんを持つご家庭なら、返ってきたテストやノートを見て一度は気になったことがあるのではないでしょうか。ただ、字の汚さを全部きれいに直させようとすると、親も子もしんどくなってしまうんですよね。そこで今回は「損をするかどうか」を判断軸にして、直したほうがいい字と、そのままでもいい字をどう分けるかをお話しします。お子さんの字やテストの点が気になる保護者の方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
字が汚いと、なぜ損をするのか
「字が汚い」と聞くと、見た目の印象の問題だと思われがちです。ですが実際に損が生まれるのは、もっと得点に直結する場面なんですよね。
一番わかりやすいのが、テストで「答えは合っているのに、読めなくて×になる」というパターンです。本人は正解を書いているつもりなのに点になっていない。子どもからすると「合ってたのに!」と納得のいかない顔をするのですが、採点する側からすると、判読できない字は「書いていないのと同じ」という扱いになりやすいんです。
これは記述式で特に起きやすくなります。書いた本人は「言いたいことは伝わるはず」と思っていても、読み手が迷った時点で点にならないことが多いんですよね。頭の中に正しい答えがあるだけでは足りず、読む人に伝わって初めて得点になる。だから字の問題は、地味に見えて実は得点そのものに直結しているんです。
子どもに伝えるときも、「きれいに書きなさい」ではなく「それを読む人がいるんだよ」という視点を持たせてあげると、少し変わることがあります。
自分の字に、自分がだまされる
実は、他人に読めないこと以上に厄介なリスクがもう一つあります。それが「自分で書いた字を、自分で読み間違える」というものです。
これは算数・数学の途中式でよく見られます。0と6が似ていたり、1と7がくっついていたり。自分で書いた数字を、途中で別の数字だと思い込んで計算を進めてしまうんですよね。字が雑だと、他人に読めないだけでなく、自分自身もだまされて計算ミスの原因になる。二重のリスクがあるわけです。
筆算などは特にそうで、字が読みにくいことで桁が少しずつずれていき、繰り上がりを一段間違える。式の立て方は完璧なのに、答えだけ合わない、というお子さんは往々にしているものです。本人は「計算が苦手」だと思い込んでいることもありますが、本当は計算力の問題ではなく、書いた数字の見え方の問題だったりするんですよね。
ですから、間違い直しをするときは、なぜ間違えたのかを一緒に見ていくのがおすすめです。「自分の書いた6を0だと思ってしまった」といったところに行き着くことがあり、そこに気づけると直しどころがはっきりします。ご家庭でも、答え合わせのときにミスした問題の途中式を一緒に見てみると、親子で発見できるポイントです。
全部を直さなくていい理由
では、字を全部きれいに直させればいいのかというと、それは違うと私たちは考えています。全部を矯正しにいくと、逆効果になることがあるんですよね。
そもそも、書く量が増えて、早く書きたい気持ちから字が崩れやすい時期というのが、学年的にあります。小学校の中学年あたりは、書くことに慣れてスピードが出る分、特に雑になりやすい。これは成長の過程として自然な部分もあるので、そこまで神経質にならなくてもいい時期です。ここで毎回「汚い、書き直し」とやらせてしまうと、書くこと自体が嫌になり、勉強そのものへの抵抗につながってしまうケースもあります。それは避けたいところです。
また、これは理由を分けて考えたいのですが、書くこと自体に強い困難がある場合もあります。似た文字を混同しやすいなど、書字に関する個人差が大きいケースです。これは「しつけが足りない」「本人のやる気の問題」とは全く別の話として捉える必要があります。努力の問題として押しても、うまくいかないことがあるからです。気になるようであれば、専門的なところに相談する道もあります。ひとくちに「字が汚い」と言っても、その中身はいろいろなんですよね。
だからこそ、「きれいかどうか」ではなく「損をするかどうか」というラインで分けて考えたい。きれいにするのがゴールではなく、損をしないラインを超えていればいい、という発想です。
目指すのは「達筆」ではなく「誤読させない字」
この「損をしないライン」がはっきり出るのが、人が読んで点をつける場面です。選択問題ならマークが合っているかどうかだけですが、記述になると、書いたものを人が読んで判断します。最近はテストの採点を機械やAIが担うことも増えているので、なおさら「読み取れる字か」が問われる場面が増えています。
高校入試でいうと、兵庫県の場合は2月の推薦入試や特色選抜で、高校や学科によって違いはありますが、小論文や作文がほとんどの学校で課されます。「作文は内容で決まるんでしょう」と思われがちですが、読んでもらえなければ内容以前の話になってしまうんですよね。
ただ、ここで狙うのも「美しい字」ではありません。求められているのは達筆さではなく、「読み手が迷わない」「誤読されない」という最小限のラインです。とめ・はねを完璧にするのではなく、この字が別の字に読めてしまわないか。そこさえ越えていれば、書き方でむやみに損をすることはありません。きれいさではなく、迷わせない・誤読させない。この基準にすると、目指すところがとてもシンプルになりますし、子どもにとってもゴールがわかりやすくなります。
損をしている「一文字」を見つける
実際にどこを直すかですが、全部を見るのではなく、「この一文字が損をしているな」というところを探すほうが早いです。答案を見ていると、損をしている場所はだいたい決まっているんですよね。
- 数学: bと6が同じに見える、エックスと掛ける記号の区別がつかない
- 英語: aとoが同じ形になっている、tとfが見分けられない
- 国語: 送り仮名や漢字を崩して続け字のように書き、判別できない
こうした点は、本人はまず気づいていないことが多いんです。ずっとその書き方でやってきているので当然ですよね。だから一度、「この字とこの字、書き分けられている?」と並べて見せてあげると、そこだけは直せます。全部直すのは無理でも、一文字なら意識できるんです。
特に国語の漢字は、その漢字をちゃんと知っているのに、読む側から判別できないと損をしてしまう。知っているのにもったいない、いちばん惜しいパターンです。基準はあくまで、読む人が迷わないか、あとで自分が見返して間違えないか。まずはそこを見てあげてください。
まとめ
- 字の問題は見た目の印象ではなく、得点に直結する「損」につながる
- 「読めなくて他人に×」「自分で読み違えて計算ミス」の二重のリスクがある
- 判断軸は「きれいさ」ではなく「読み手に伝わるか・自分が見返して間違えないか」
- 崩れやすい時期や書字の個人差もあるので、全部を無理に矯正しない
- 直すのは損をしている一文字から。並べて見せると意識しやすい
ニードモアでも、答えが合っているかどうかだけでなく、その答えが読んだ人にきちんと伝わる形になっているかまで見ていきたいと考えています!
他の回も『聴く塾便り』で配信中ですので、あわせてお楽しみいただければ幸いです。
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