こんにちは、兵庫県加古川市・播磨町で学習塾「ニードモアアカデミー」を運営している三浦です。
「英単語が全然覚えられない」という悩みを抱えている学生の皆さんは多いでしょう。しかし、その原因の一つは、単語を一つひとつ独立したものとして暗記しようとしていることにあります。
実は、英単語には「分解できない単語」と「分解できる単語」の2種類があり、後者を理解することで暗記効率を大幅に向上させることができるのです。
単語の構造を理解する重要性
分解できない単語と分解できる単語の違い
分解できない単語
- apple、schoolなど
- 形で覚えるしかない
- 繰り返し書いて暗記する力技が必要
分解できる単語
- teacher、playerなど
- 複数の要素が合体して一つの単語を構成
- 構造を理解すれば効率的に暗記可能
具体例:teachとteacher
なんとなく意味は似ているけど別々の単語として認識してしまっている人もいるのではないでしょうか?
「teach」と「teacher」ですが、実際は:
- teach(教える)+ er(~する人) = teacher(先生)
このように構造を分解して理解することで、関連性を持って暗記できるようになります。
接尾辞とは何か?
接尾辞とは、単語の後ろに付いて意味をつけ加えたり、品詞を変えたりする特定の文字列のことです。
代表的な接尾辞一覧
er/ist系:人や物を表す接尾辞
er:~する人・物
- 人の例:play + er = player(プレイヤー)、sing + er = singer(歌手)
- 物の例:dry + er = dryer(ドライヤー)、print + er = printer(プリンター)
ist:専門性の高い人
- 基本的な使い方:piano + ist = pianist(ピアニスト)、guitar + ist = guitarist(ギタリスト)
- erとの違い:istはerよりも専門性が高い
- teacher(広い意味での先生) なのに対して、 scientist(理科の先生、科学者)
品詞変換系の接尾辞
ness:形容詞→名詞
- happy + ness = happiness(幸福)
- kind + ness = kindness(親切)
ment:動詞→名詞
- develop + ment = development(発展)
- amuse + ment = amusement(娯楽)
ion:動詞・形容詞→名詞
- reserve + ation = reservation(予約)
- act + ion = action(行動)
ism:抽象名詞を作る
- real + ism = realism(現実主義)
- social + ism = socialism(社会主義)
形容詞・副詞系の接尾辞
able:~できる
- wash + able = washable(洗濯可能な)
- avail + able = available(利用可能な)
ly:副詞化・形容詞化
- friend + ly = friendly(友好的な)
- time + ly = timely(時機を得た)
ful:~に満ちた
- beauty + ful = beautiful(美しい)
- color + ful = colorful(カラフルな)
less:~がない・欠けている
- care + less = careless(注意散漫な)
- end + less = endless(終わりのない)
al:名詞→形容詞
- nature + al = natural(自然の)
ive:~的な
- create + ive = creative(創造的な)
- act + ive = active(活発な)
特殊な接尾辞:ishの活用法
ishの基本的な意味
- Spain + ish = Spanish(スペインの)
- child + ish = childish(子供っぽい)
ishのスラング的活用
ishは現代英語では非常に柔軟に使われ、あらゆる単語に付けることができます:
時間表現
- seven + ish = sevenish(7時頃)
色の表現
- gray + ish = grayish(グレーっぽい)
性格表現
- kind + ish = kindish(親切っぽい)
日本語でも使われるish
「ボーイッシュ」も同じ接尾辞で、男の子っぽいスタイルの女性に対して使われます。
実践的な活用方法
単語グループで覚える効率的暗記法
一つの基本単語から派生する単語群をまとめて覚える方法:
nationファミリー
- nation(国家)
- national(国民の)
- nationally(全国的に)
- nationalism(国家主義)
これらを別々の単語として覚えるのではなく、「nationフォルダ」に入った関連ファイルとして認識することで、記憶の効率が向上します。
長文読解での推測スキル
接尾辞を知っていることで、未知の単語の意味を推測できるようになります:
hopefulの場合
- hope(希望)+ ful(~に満ちた)= hopeful(希望に満ちた)
hopelessの場合
- hope(希望)+ less(~がない)= hopeless(希望のない)
接尾辞を学ぶメリット
語彙力の効率的向上
- 一つの基本単語から複数の派生語を習得
- 記憶の定着率向上
- 関連語彙の理解促進
読解力の向上
- 未知単語の意味推測能力向上
- 文脈理解の精度向上
- 辞書に頼る頻度の減少
実用的な英語力の獲得
- ネイティブが使う自然な表現の理解
- 柔軟な言語運用能力の獲得
まとめ
接尾辞の理解は、英単語学習を根本的に変える強力なツールです。単語を個別に暗記するのではなく、構造的に理解することで:
- 暗記効率の向上:関連語をグループで習得
- 推測能力の獲得:知らない単語の意味を推測
- 実用的語彙力:ネイティブレベルの表現理解
特に受験生や長文読解に取り組む生徒にとって、この手法は大きなアドバンテージとなるでしょう。
次回は「接頭辞」について詳しく解説予定です。単語の前に付く要素についても理解を深め、さらなる語彙力向上を目指しましょう!!
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