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「ケアレスミス」という言葉をもう使わないようにしませんか?〜間違い方の構造的分析〜 #42

こんにちは、兵庫県加古川市・播磨町で学習塾「ニードモアアカデミー」を運営している三浦です。

今回の「ニードモアの聴く塾便り」では、「ケアレスミス」という言葉の問題点と、その構造的な分析・対策について語りました。

「次は注意しよう」「もっと集中して」…そんな精神論で終わらせてしまうのは良くないかも!

実は「ケアレスミス」の多くには、対策可能な構造的な原因が隠れているんです。

目次

なぜ「ケアレスミス」という言葉はよくないのか

ケアレスミスの問題点

「ケアレスミス」という言葉は非常に便利ですが、同時に思考を停止させてしまう危険な言葉でもあります。

ケアレスミス=不注意によるミス

この認識だと、解決策は「次からしっかり注意する」という精神論になってしまいます。

「気合いでなんとかしろ」と言っているのと同じで、プロの教育者としてそれでは良くないのではないかと考えました。

ミスには構造がある

私たちが「ケアレスミス」という便利な箱に放り込んでいるミスには、実は対策を考える余地のある「構造上の欠陥」が存在します。

今回はこの構造を分析し、具体的な対策を考えていきます。

脳の「OS」と「アプリ」

2つのモードを理解する

人間の脳には2つのモードがあるとイメージしてください。

OSモード(オペレーティングシステム)

  • 生まれつき備わっている直感や本能
  • 自動的で省エネな処理
  • 例:熱いものに触れると手を引っ込める

アプリモード

  • 後から学習して獲得した論理的思考
  • 意識的で複雑な処理
  • 例:数学の計算、文章読解
  • エネルギーを多く消費する

ケアレスミスが起こる仕組み

ケアレスミスの多くは、本来アプリを使わなければいけない場面で、疲れや焦りによってアプリがうまく起動せず、OSの自動処理に任せてしまって起きています。

つまり、「不注意」という一言で片付けるのではなく、「どこでアプリの起動が止まったのか」を分析することが重要なのです。

パターン別対策

①符号のミス

なぜ起こる?

計算における符号は中学1年生で初めて意識する抽象的な概念です。脳のOSは「目立つ数字」を優先してしまい、符号という情報を落としがちです。

特にテスト中は複数のアプリを同時起動している状態なので、符号のような細かい情報は見落としやすくなります。

具体的な対策

  1. 符号を先に書く
    • 掛け算・割り算問題ではマイナスの数を数えるだけで答えの符号が分かる
    • 「まずは符号を書く」という習慣をつける
  2. 符号を別レイヤーで管理
    • 符号だけをメモ書きで並べておく
    • 数字の計算とは完全に分けて考える
  3. 途中式をしっかり書く
    • 途中式は「面倒くさいもの」ではなく「頭を軽くするもの」
    • 重い荷物を手で持ち続けるのではなく、紙に下ろす作業
    • 頭のメモリ節約になり、集中力も持続する

②問題文の読み違い

なぜ起こる?

「正しくないものを選べ」なのに正しいものを選んでしまう…これは**バイアス(先入観)**が原因です。

これまで圧倒的に「正しいものを選ぶ」問題を多く解いてきたため、脳がそちらをデフォルトにしてしまっているのです。

具体的な対策

「選択」ではなく「判定」をする意識に変える

いきなり答えを選びに行くのではなく:

  1. 選択肢ア〜エの一致/不一致を判定していく
  2. 横にマルやバツを書いていく
  3. 問題文に戻って「今回は不一致を選ぶんだったな」と再確認
  4. バツがついているものを答えとする

この流れにすることで、OSが突っ走るのを防ぎ、アプリをしっかり起動させることができます。

③見直しで気づけない

なぜ起こる?

これも確証バイアスが原因です。

確証バイアスとは、自分の仮説を裏付ける方向で情報を探してしまう、後追いの補正のようなものです。

普通に見直すと、自分が解いたときの思考回路をそのまま再生することになり、間違えた時の思考も再生されてしまいます。

具体的な対策

  1. 「見直し」ではなく「間違い探し」をする
    • 「自分はどこか間違っているはずだ」と疑ってかかる
    • 無意識の「自分は正しい」に対抗して、意識的に「間違っているはず」と思い込む
  2. 前から順番ではなく、バラバラの順番で確認
    • 解いたときの思考回路の再生を断ち切る
    • OSが勝手に納得してしまう流れを防ぐ

すべてのミスを減らす最強の方法

練習量でOS化させる

ここまで様々な対策を見てきましたが、結局のところ最終的な解決策は**「練習量」**です。

アプリ→OS化の仕組み

最初はアプリで必死にやっている動きが、繰り返すとOS化していきます。

例えば:

  • iPhoneのQRコード読み取り機能は、昔は専用アプリが必要だった
  • 今はカメラ機能に標準搭載(OS化)されている

勉強も同じです!

何百回、何千回と繰り返すことで、いずれOSが勝手にやるようになります。

自転車の例

最初は意識しまくってバランスを取っていたのが、乗れるようになったら無意識でバランスが取れる。これもここで言うOS化です。

ミスを減らす一番の近道は、「注意しろ」でも「才能」でもなく、正しい手順を決めて、反復して、OSに入れることなのです。

まとめ

ミスを「ケアレスミス」という言葉で片付けるのをやめましょう。

同じ不注意によるミスでも、構造的に分析することで様々な対策を講じることができます。

理解できているのにミスをしてしまうのは、本当に悔しいことです。

普段ケアレスミスが多いと感じている人は、次の定期テストや小テストで、今回紹介した対策を1つだけでも実践してみてください。

まずは1つから。そしてそれを繰り返してOS化させていきましょう!


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