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今この時代に勉強が必要な理由〜第2回「勉強で鍛えられる『生きる力』の正体」〜

こんにちは、兵庫県加古川市・播磨町で学習塾「ニードモアアカデミー」を運営している三浦です。

前回の配信では「AI時代に求められる人間らしいスキル」として、「創造的思考」「レジリエンス」「柔軟性」といった力の重要性をお話ししました。

そして、それらを育てるために「なぜ?を習慣化する」「教科間のつながりを見つける」「間違いを学習材料として活用する」という3つの実践法をご紹介しました。

しかし、「『生きる力』って結局何なのか?」「具体的にどうやって身につけるのか?」抽象的な表現になってしまいがちでよくわからないですよね??

今回は、この「生きる力」をより具体的に分解し、日々の勉強がどのように将来に役立つのかを、具体例を交えながら解説しました。

目次

「生きる力」を分解すると見えてくるもの

人生の本質は「問題解決の連続」

「生きる力」と聞くと漠然としていますが、具体的に分解すると**「問題解決能力」**に集約されます。

なぜなら、人生とは突き詰めて言えば「問題を解決し続けること」だからです。

  • 進路選択をどうするか
  • 人間関係の悩みをどう乗り越えるか
  • 仕事の課題にどう取り組むか
  • 家庭の問題をどう解決するか

大小さまざまな問題に向き合い、解決していくこと──これが人生そのものと言えます。

問題解決には「型」がある

実は、問題解決には普遍的なプロセスが存在します:

  1. 課題を発見・設定する
  2. 情報を収集・分析する
  3. 解決策を立案する
  4. 実行する
  5. 結果を検証・改善する

このサイクルを回し続けることが、あらゆる場面での問題解決につながるのです。

そして実は、普段の勉強は、この問題解決プロセスの完璧なトレーニングになっているのです。

定期テスト対策は「ビジネスプロジェクト」と同じ構造

一見違う二つの活動の共通点

「定期テスト対策」と「社会人のプロジェクト管理」──一見全く違うように見えますが、実は同じ構造を持っています。

定期テスト対策のプロセス

  • 課題設定:「2週間後に数学のテストがある。80点以上取りたい」
  • 情報収集・分析:「今の実力はどのくらいか」「どの単元が出題されそうか」「どこが苦手か」を把握する
  • 解決策立案:「毎日1時間勉強して、苦手な関数を重点的にやろう」と計画を立てる
  • 実行:実際に勉強する
  • 検証・改善:テスト後に「なぜこの問題が解けなかったのか」「次はどう対策すべきか」を振り返る

ビジネスプロジェクトのプロセス

  • 課題設定:「3ヶ月後に新商品をリリースしたい。売上目標は1000万円」
  • 情報収集・分析:「市場のニーズは何か」「競合他社の状況は」「自社の強みは何か」を調査
  • 解決策立案:「ターゲット顧客を絞り込み、SNS広告に予算を集中しよう」と戦略を立てる
  • 実行:実際に商品開発と販売活動を行う
  • 検証・改善:販売後に「なぜ売れた/売れなかったのか」「次はどう改善すべきか」を分析する

なぜ中高生のうちに鍛えるべきなのか

この問題解決プロセスは、社会人になって初めて学ぶものではありません。

中高生のうちに定期テストや受験勉強を通じて何度も繰り返すことで、自然と身についていくスキルなのです。

「志望校に合格する」という大きな課題に対して、長期的な計画を立て、実行し、模試で検証し、修正していく──これは将来「新規事業を立ち上げる」「組織改革を実現する」といったような複雑な課題解決と全く同じ構造です。

各教科が育てる「問題解決の専門スキル」

それぞれの教科が、問題解決プロセスのどのような側面を特に鍛えられるのか見ていきましょう!

数学:論理的思考と段階的解決の訓練場

数学は問題解決プロセスの**「分析→解決策立案→実行」**を集中的に鍛えます。

方程式の文章題を解くプロセスを見てみましょう:

  1. 何を求めるのかを明確にする(課題設定)
  2. 与えられた情報を整理する(情報分析)
  3. どの解法を使うかを選択する(解決策立案)
  4. 実際に計算する(実行)

このプロセスは、ビジネスで例えると「売上低下の原因を特定し、改善策を実行する」みたいな流れと構造は同じです。

国語:本質的な課題を見抜く力

国語は**「課題発見」**の力を特に鍛えています。

文章を読んで「筆者は何を言いたいのか」「どこに論点があるのか」を見つける訓練は、将来こうした場面で活きます:

  • 「お客様の本当のニーズは何か」を読み取る
  • 「この会議で解決すべき本質的な問題は何か」を見抜く
  • 「このプロジェクトで最も優先すべき課題は何か」を判断する

読解力は、相手の気持ちや状況を深く理解する力へと発展していくのです。

理科:仮説を立てて検証するサイクル

理科は**「仮説検証」**のプロセスを体系的に学べる教科です。

「なぜこの現象が起きるのか」→仮説を立てる→実験で確かめる→結果を分析する→結論を導く

このサイクルは、ビジネスにおける「A/Bテスト」「改善のPDCAサイクル」「データドリブンな意思決定」と同じ思考法です。

社会:多角的に物事を分析する視点

社会は**「多角的分析」**の力を育てます。

一つの歴史的事件を、政治的・経済的・文化的な複数の視点から考える訓練は、ビジネスにおいて:

  • 一つの問題を顧客視点・経営視点・現場視点から考える
  • 短期的利益と長期的価値の両面で判断する
  • 国内市場と海外市場の違いを理解する

といった複眼的思考につながります。

数学の具体例で学ぶ「考える勉強」の実践

前回お話しした3つの学習習慣を、より具体的に深掘りしていきましょう。

①「なぜ?」を追求する:解の公式の深層

中学3年生で習う二次方程式の解の公式:

x = (-b ± √(b²-4ac)) / 2a

多くの生徒は「公式を覚えて数値を代入する」だけで終わってしまいます。

しかし、ここで立ち止まって考えてみましょう。

「なぜこんな複雑な形の公式でxの値が求められるのか?」

解の公式の背景にある「平方完成」

実はこの公式は、高校で習う**「平方完成」**という技法から導かれています。

二次方程式 ax² + bx + c = 0 を「(何か)² = 定数」の形に変形することで:

  • 両辺に平方根をつけると二乗が取れる
  • 「何か = ±√定数」としてxの値が求められる

これが解の公式に ±(プラスマイナス) が出てくる理由なのです。

「興味」が学びを加速させる

ここで大切なのは、中学生がここまで理解する必要があるということではありません。

**「興味を持って主体的に学びを深める姿勢」**こそが重要なのです。

常に与えられた情報だけで課題を解き進めるのは面白くありませんし、面白くないことは身につきにくいものです。

問題を解決したり、課題を乗り越えたりするには、興味・関心という内発的動機が大切な要素なのです。

②「つながり」を探す:知識のネットワーク化

平方完成の考え方は、数学だけに留まりません。

高校物理での応用例

高校物理の「放物線運動」では、ボールを投げた時の軌道を二次関数で表します。

「最高到達点はどこか」を求める際に、まさにこの平方完成を使うのです。

身近な例でのつながり

もっと簡単な例では前回のブログ記事でも挙げたように、

  • 数学の比例 → 理科実験のグラフ分析に活用
  • 数学の座標 → 地理の経度・緯度、理科のグラフ作成に活用

知識は単発的なものではなく、どこかでつながっています。

そのつながりを発見することで:

  • 学びがもっと面白くなる
  • 記憶に定着しやすくなる
  • より効率的に応用力を伸ばせる

③間違いを「自己チェックシステム」として活用する

「間違いを大切にする」とは、単なる見直し以上の意味があります。

解の公式でのミスチェック機能

解の公式を使ってxの値を計算したとき、√の中身(b²-4ac)がマイナスになってしまったとします。

平方根の中が負の数になることはおかしい

この知識があれば、「√の中身がマイナスになった = 計算ミスをしている可能性が高い」と自分で気づけます。

さらに深い学び:判別式への発展

実は、このb²-4acは高校数学で**「判別式」**と呼ばれ、方程式に解があるかどうかを判別する重要な指標になります。

中学で学んだ解の公式が、高校数学で言わば「アハ体験」につながるのです。

連立方程式での検算システム

中学2年生で習う連立方程式では、求めた解を元の式に代入し直すことで:

  • 左辺と右辺が等しくなる = 正解
  • 等しくならない = どこかで計算ミス

というセルフチェックができます。

間違いから学ぶ3つのレベル

このように「間違いを大切にする」には3つのレベルがあります:

レベル1:間違いから学ぶ 「なぜ間違えたのか」を振り返る

レベル2:間違いを予防する 「次はどうすれば間違えないか」を考える

レベル3:間違いを検知する 「自分で正しさをチェックする仕組み」を活用する

このレベル3まで到達すると、問題解決能力の「検証・改善」プロセスが自然と身についていきます。

保護者の方へ:家庭でできるサポート

「答え」より「プロセス」を褒める

お子さまが問題を解いたとき、「正解したかどうか」だけでなく:

  • 「どうやって考えたの?」
  • 「なぜその方法を選んだの?」
  • 「他のやり方も思いつく?」

というプロセスに関心を示すことで、思考力を重視する姿勢が育ちます。

「教科書の外」の話題を歓迎する

お子さまが「数学でこんなこと習ったんだけど、これって○○で使えるよね」と話したら、ぜひその好奇心を応援してあげてください。

知識のつながりを見つける喜びは、学びの原動力になります。

失敗を責めない環境づくり

間違いや失敗を責めるのではなく、「そこから何を学んだ?」と振り返りを促す声かけが、レジリエンス(回復力)を育てます。

 家庭でできるサポートについては第4回でもメインで取り扱って解説していきます!!

まとめ

今回は「生きる力の正体」として、問題解決能力を具体的に分解してきました。

学生時代における勉強はこれからの人生最高のトレーニング場だということがお分かりいただけたのではないでしょうか!

普段の勉強が、実は人生で最も重要な能力を鍛えている──この視点を持つだけで、今日からの学習に対する見方が変わるはずです。

次回の配信では、「なぜ今の子どもたちには『自分で学ぶ力』が必要なのか」をテーマにお届けします。

今回お話しした問題解決能力を、誰かに言われてやるのではなく、自ら主体的に発揮できるようになるための秘訣を具体的にお話しします。

ぜひ次回もお楽しみに!


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