こんにちは、兵庫県加古川市・播磨町で学習塾「ニードモアアカデミー」を運営している三浦です。
「学校で習った英語を使ったのに、ネイティブに不思議な顔をされた…」
そんな経験や話を聞いたことはありませんか?
実は、学校で習う英語と実際にネイティブが使う英語には、ギャップが存在するんです。
今回のポッドキャスト「ニードモアの聴く塾便り」第29回では、教科書では教えてくれない「生きた英語」の世界について、深掘りしていきました!
教科書の英語が不自然?リアルな例から見えてくるもの
“I have to apologize to him.”の違和感
土山校の河村が中学生の授業を見ていて気になったのは、学校のワークに出てきた”I have to apologize to him.”という文でした。
文法的には完璧です。しかし、日本語訳が「あいつに謝らないとな。」だったことに違和感を覚えたそうです。
なぜなら、“apologize”という動詞は非常にフォーマルで重たいニュアンスを持つからです。日本語にすると「謝罪する」に近く、友達間での謝罪には大げさすぎる表現なのです。
では、実際にはどう言うの?
普通の謝罪であれば:
- “Excuse me”
- “I’m sorry”
- “Sorry about that”
この場面なら**”I have to say sorry to him”**が自然です。
教科書は”apologize”という単語を教えるために例文を作っているので、実際の会話との乖離が生まれてしまうんですね。
同じ意味でもニュアンスが全然違う!単語の使い分け
「たぶん」を意味する単語の確信度の違い
「たぶん」を英語で言うと?多くの人が”maybe”や”probably”を思い浮かべるでしょう。
しかし、これらの単語には確信度に大きな違いがあるんです!
確信度ランキング
- probably:80%以上 →「ほぼ確実に」
- likely:50%以上 →「まあ確実かな」
- maybe / perhaps:30〜40% →「もしかしたら」
- possibly:それより低い →「可能性としてはありえる」
例えば:
- “He will probably come.” →「ほぼ確実に来ると思う」
- “He will maybe come.” →「来るかもしれない(半々の確率)」
学校では全部「たぶん」と習いますが、実際のコミュニケーションでは大きな誤解を生む可能性もあります!
「疲れた」「お腹が空いた」にも程度がある
「疲れた」の表現
- “I’m tired.” →普通の疲れ
- “I’m exhausted.” →疲れ切っている
- “I’m beat.”(カジュアル) →めっちゃ疲れた
「お腹が空いた」の表現
- “I’m a bit hungry.” →小腹空いた
- “I’m hungry.” →普通にお腹空いた
- “I’m starving.” →めっちゃお腹空いた
日本語でも「疲れた」の表現の中に「へとへと」「くたくた」などと違いがあるように、英語も同じなんです!
丁寧すぎて不自然になる表現
友達に”Could you〜?”は丁寧すぎる
学校では丁寧なお願いの仕方として”Could you〜?”や”Would you mind〜?”を習いますよね。
もちろんこれらは正しく、大事な表現です。しかし、友達間や家族との日常会話で使うと、かなり不自然になってしまうんです。
友達や家族なら**”Can you〜?”**で十分!
例えば「塩取って」なら:
- フォーマル:”Could you pass the salt?”
- カジュアル:”Can you pass the salt?”
日本語で考えても、友達や家族に「塩を取っていただけないでしょうか。」と言ったら変ですよね。状況や相手との関係性によって使い分けることが重要なのです。
その他の不自然になりやすい教科書英語
“What’s your name?”
間違ってはいないのですが、無表情だったり冷たい声で言うと、直接的に聞こえてしまうことがあります。
より自然な表現:
- フォーマル:”May I have your name?”
- カジュアル:”I’m John. And you are?”(自己紹介から入る)
“I go to school by bike.”
文法的には正しいですが、若干フォーマルです。
より自然な表現:
- “I bike to school.”
教科書は「by 交通手段」の文法を教えるために”by bike”を使いますが、実際の会話ではこのような文章を使う方がシンプルで自然なんです。
それでも学校英語には大きな意味がある
ここまで学校で習う英語の不自然な部分について話してきました。
とは言っても学校英語には大きな意味があるのです。
文法の基礎をしっかり学べる
“I have to apologize to him”という表現は日常会話では硬いかもしれませんが、“have to”の使い方や不定詞の構造を学ぶという点では意味があります。
その型があるから:
- “I have to go”
- “I have to study”
といった文も作れるようになりますよね。
フォーマルな場面では実際に使われる
学校で習う英語は、日常会話ではあまり使わないかもしれませんが、ビジネスなどのフォーマルな場面では実際に使われます。
カジュアルな表現だけ知っていても、ビジネスのようなフォーマルが求められる場面では困ります。
学校で習う英語は、**「正しい英語の土台」**を作ってくれるのです。その土台をもとに、実際の会話を通じて自然な表現を身につけていけばいいんですね。
段階を踏んで学ぶことが大切
“probably”、”likely”、”maybe”、”perhaps”、”possibly”の違いも:
- まず学校で「たぶん」という意味を学ぶ
- そのあとにニュアンスの違いを知っていく
このように段階を踏んで学ぶことが大切なのです。
英語学習のバランスが重要
理想的な学習方法
学校で文法などの基礎をしっかり学んで、並行して実際の英語に触れることが理想です。
実際の英語にどうやって触れる?
今の時代、実際の英語に触れる手段はたくさんあります:
- YouTube・Netflix:字幕をつけて海外のドラマや映画を見る
- ポッドキャスト:ニュース番組や会話がメインの番組を聞く
- 英語のゲーム実況:ゲームが好きなら
- 洋楽の歌詞:音楽が好きなら意味を調べてみる
「なるほど、この場面ではこう言うのか」というのが自然に身につきます。
両方必要!
習った文法を使いながら、実際にネイティブがどう話しているのかを聞く。
文法だけでもダメ、会話だけでもダメ。両方必要です。
学生へのアドバイス
学校の勉強はしっかり続けて
まず、学校の英語の勉強はしっかり続けてください。文法も単語も、全部大事な基礎です。
興味のある分野と英語を結びつける
- ゲームが好きなら英語のゲーム実況を見る
- 音楽が好きなら歌詞の意味を調べる
- スポーツが好きなら英語の試合解説を聞く
自分の興味と英語を結びつけることで、学習が楽しくなります!
間違いを恐れないで
多少文法を間違えても、そこから学べます。完璧である必要はありません。
言語は本来使いながら覚えていくものです。
まとめ
学校で習う英語と、ネイティブが使う生きた英語には確かに違いがあります。
しかし、どちらも大切なのです。
- 学校英語 →文法の基礎、フォーマルな場面で必要
- 生きた英語 →実際のコミュニケーション、自然な表現
この両方をバランスよく学ぶことで、本当に使える英語力が身につきます。
定期テストや受験では教科書の英語が必要ですが、その先の実際のコミュニケーションも見据えた学習を心がけましょう!
ニードモアアカデミーでも、教科書の英語だけでなく、生きた英語も伝えていきたいと思います!
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